around F ground

【 around F ground 】瀬戸市

@瀬戸市 Artwarkホウボウ2019
2019年 10月5日~14日
末広通り商店街ロマン中央跡

現地制作インスタレーション作品。
たくさんの情報が混在する。
キャッチしたもののすべてを形にしようとして、つくられた空間。
【 around F ground 】のFとは、Forbidden または Freedom のFを指す。
両方の意味を込めて。


【 around F ground 】壁
石膏とスチールウールを使用し錆を発生させた造形と、古い壁の染み。立体ドローイングを試みた作品。

この錆は今も進行している。風雨によって、または自重によって、崩壊に向かっていく様子は、少しこの世界と似ている気がする。
作品は、やがて朽ちて粉になり地面に帰る。そのとき、この種は芽吹くのか?
 どのような風景になるかを想像する。
(エノコログサ/ねこじゃらしは、瀬戸市商店街近隣で採取しました。)

【 around F ground 】そのほかの場所
・温暖化、環境破壊について、環境活動家グレタ・トゥーンベリ(Greta Thunberg)が声を上げ話題になった。SNSを通じて知る。地面の溶けたガラスと石膏の破片は環境問題についての意識とリンクする。
・同時期開催中のあいちトリエンナーレ2019 で表現の不自由展中止という事件があった。( 話題になった少女像の作品について、本来の名前と違う呼称で扱われていることに違和感を感じた。また、実物を確かめることなく交わされる議論は、少女不在の風景を連想した)
今回の件で、アートに携わるものとして、平和と人権と芸術を大切にしていきたい者として、歴史や政治についても深く学んで、自身はどうありたいのか、文脈を知り、自分なりの視座を持っておく必要を強く感じた。
・覗き込むネコ:搬入日、商店街では猫に扮した人々が行列をつくり練り歩く祭りがあった。遊び心から派生して、猫の形の石膏片に顔を描いて置いた。
・錆びた足跡:場所からのインスピレーションで、不在者の気配について、足跡の造形を石膏と錆で作った。
・ペンキによるドローイング:現地制作


ステイトメント

【 Freedom of expression is important 】
表現の自由について 考えたこと。

私たちは、話し合える。
私とあなたは、それぞれ違う存在ではあるけれども、
同じ言葉を使い、似たような文化ベースを持ち、今この時代を生きている。
たとえ考え方や信念が違っても、全く合い入れることができないとしても、
もし平和の可能性を信じるなら、対話し、お互いの「前提の違い」を明確に持ち、
(自分と相手が違うところをよく見て)、自分が大事にしたいことと、
相手が大事にしていることを、線引きして尊重し合うことはできるのではないか。

対話とは、思考や感情を使って想像し考え、そして、それを相手と確認していく作業。

想像して、見えないこともあるし、誤解していることもある、
全く同意できないことも、自分でもよくわからないことも、
それで心がざわつくなら、少しの間、よく見てみようと思う。
何が嫌で、何を信じていて、どうしたかったのか。
その話をしようと思う。

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2019.10.7
篠田ゆき
Yuki Shinoda

Special Thanks
制作協力:鈴村由紀さん
Artwarkホウボウ2019 実行委員会の皆さま ありがとうございました。