神さまのいる土地で In the land where God is.

Around the ground 神さまのいる土地で
 In the land where God is.

インスタレーション作品。
(石、木、箱、アルミ棒、土、皿、 米、寒冷紗、 バーミキュライト、苔)

大地を整え、鳥を呼び、ひととき、想いを馳せる場をつくる。神社の中に神社のような装置、場の力を借りて、何者かが降り立つ、そのような気配を感じることが出来たら。

神前空間を体験する装置。



いなフェス2019 2019/6/16
岐阜県各務原市
@手力雄神社
 主催:いなフェス2019実行委員会


手力雄神社

岐阜県各務原市にある手力雄神社は、日本神話に登場する天手力雄神(アメノタヂカラオ)を御祭神とする神社です。創建年代は約6世紀頃、はじまりは山の中腹の岩(盤座)を神さまとして祀ったところからと言われています。
日本の神道は、古来は山や自然を祀り、死者への祈りを捧げる場として信仰されていました。この手力雄神社もかつては山の中腹の大岩に死者の魂が宿るとされ、そこに祈りの場が生まれ、長い時を経ていくうちに祭壇が作られ社が建ち、神社としての形態になっていったとのことです。京都にあるような大きな神社と異なり、この神社では、神社を構成する要素がすべて一つの山の周りで集まっているそうです。山の向こうは死者の国、昔の人は地続きの未知の世界をあの世と呼び、親しんだり又は畏れ尊んでいたのでしょうか。

インスタレーション作品「 Around the ground 神さまのいる土地で 」は、祈る場を再構築することを試みました。入れ子の構造のように、神社に似た小さな空間。自然発生していた苔の周囲に赤い鳥居らしきものを配置すると、それが島のようにも思えてきて、だんだんと地面が海に見えてきます。そしてその場所を歩く私たちは渡り鳥のような視点を獲得します。
神社の岩で囲まれた台座にはご神体をイメージした素焼きの左手と小さな箱。箱の中身は、骨片に似た信楽の土の素焼きものが入っており、密かに死者を連想しています。その台座の向こう側、敷地を分ける柵を越えたところに、この土地でとれた昨年の米を配置。
鳥を呼びたいと思っての試みでしたが、降りてくる鳥を見ることはできませんでした。
鳥は、魂を象徴するモチーフで、この作品では重要な役割を担っています。鳥の視点になることと、実際に鳥を呼ぶことで、現実と仮想のリンクを試みました。
展示終了後も石の上に設置していた米は、その2日後にはほとんど無くなっていたとのことです。この作品に込めた、祈りや想いは受けとってもらえたような心地がしました。
わずかの期間のために捧げられたこの作品は、無事完了しました。


キャプション

Around the ground 神さまのいる土地で
In the land where God is.

神前空間を体験する装置。
インスタレーション作品。
(石、木、箱、アルミ棒、土、皿、 米、寒冷紗、 バーミキュライト、苔)

自然発生している苔を島に見立てると、地面は海にも見えてくる。
あたかも中空を 渡り鳥の視点で歩いているかのよう。

整えられた土地に、何か 神聖なものを 感じるのは、
大切にされていた という、ここにはいない 誰かの意図を
受けとったから なのかもしれない。
見えないものは、見えないのでなく、感じることで
見えるのだと思う。

2019/6/16 篠田ゆき

Drawing #1彼女からどのように逃れるか?

【How to get away from her ?】
 彼女からどのように逃れるか?

drawing (不織布,ペンキ,インク,塗料,土,器)



【LILE WORK 2019展】2019/5/28~6/2日
 愛知芸術文化センター12F H
 主催:LILE WORK企画 


キャプション

あらゆる制限、イメージの束縛、支配される無意識を克服する。
夜と霧の作者が伝えたように、どのような環境下からでも
自身の在り方のそれは選択できる。この線は生きている。
それだけが重要なこと。

篠田ゆき


画面に向かうとき
強すぎるイメージとどのように対峙するか。
目を閉じずに。
drawingは、在り方の研究をしている。と思う。
とても個人的なことの挑戦。


Mother Tree

【Mother Tree】around the ground

春落葉を踏むアート作品。
この場所で集められた春落葉を敷いた布の上を歩く、音と感触を体感する装置。
中央に落ちている木の実を見て、見上げるとそこに母なる木がある。
木の実と木の関係は、地上と頭上でつながっている。

(アメリカフウ, 落葉, 土, 皿, 不織布,木)


@ノリタケの森 森のピクニックガーデン2019
2019/5/4.5日


意識を移動させる作品。

薄い布を隔てて足の裏で感じる葉っぱの感触と音、体感する楽しみの中に、無造作に放り込まれているごつごつした木の実は、見上げたその先にあるアメリカフウの木から落ちたもの。皿に盛られた土の上、小さな手が木の実と木の関係を示している。足元から頭上へと意識を巡らせた時、例えば人は、ほんの少しその瞬間に、地球のことを想うかもしれない。


展示会場ノリタケの森は、お皿メーカーとして発展したノリタケカンパニーリミテドの敷地内にある一般に公開された広場。整備された美しい庭園、憩いの場として多くの家族が訪れている。
森のピクニックガーデンは造園家主催の植物と音楽とアートのイベント。

365企画(2017-2018)

365企画

2018年(2017年10月~)
スマホで写真を撮ってインスタグラムで毎日シェアした企画。
日常生活圏内を感性によってトリミング。
途中挫折期間を設けながらも1年間継続した。
2018年12月、愛知県名古屋市で
公募展Photo&Art Feild展に出品。
翌2019年1月、セントラルギャラリーで同展に100枚の展示。

#ahikahita で検索



2018年12月
 Photo × Art Field展 公募
 ギャラリーA-1(愛知県名古屋市)
 主催:PAF Photo × Art Field

2019年1月
 Photo × Art Field Sprout 「種を蒔く」展
 セントラルギャラリー(愛知県名古屋市)
 主催:セントラルアートギャラリー
 企画:Photo × Art Field


過去ステイトメント

2018,12

ahikahita,サーフェス,365企画
〇 この企画は、インスタグラム上で1年間毎日1つずつスマートフォンで撮影した画像をシェアしていくという名目で2017年10月28日(頃)に始まった。題材は、日々の生活圏内で見つけている。
〇 残念なことに、初期からコンセプトが定まらず、正確な記録が出来ていない。(※日付は画像の採取日)
〇 その目的は、自分が何をしたいのかよく分からなかったシノダユキが、自身の見ているものを通して何に魅かれているのか、何を見ていて何をしようとしているのかを知っていくというものである。
〇 なぜスマホでインスタグラムを使用したかというと、現代のSNS社会において、イメージを使った表現をするにはそれを選択することがとても自然であると思われたからである。
〇 また、なぜこのような個人的なことを公開の上行う必要があったのかというと、それは自分との約束を守るため、他者の目を感じる必要があったからである。必ずしも他者の存在が必要なのではなく、見られているという感覚が重要であった。しかし、そのように考えていたところに、SNSの特性「繋がる」を活用せずむしろそれを恐れ、より自己完結し、自分の世界に引きこもるという気質が浮かび上がった。これは、個人的なものだろうか?また、企画後期には毎日シェアするという約束もよく果たせておらず、ここには自分との約束を守れていないシノダユキの現在地が露呈している。SNSを使用しながら、他者とのつながりから距離を置きたがる、一見矛盾したこのような在り方の根源には、現代人に共通する何かはないだろうか。
〇 この個人的事業をあえて展示をする意味は、自分本位視点からはこの取り組みを整理すること、顕在化させ認識を自己内でパッケージして終わらせたいためであるが、この作業自体をさらすことによって、もしまだ見ぬ誰かが共感することがあれば、現代を生きる同志として、お互いに新たな発見や感覚を得られるのではないだろうか、と思案する。繋がることを恐れながら、なお繋がる事を求める、それは滑稽に見えて結構真剣な生きる意志である。
〇 今後の課題→ 相手にも同じものを見てもらうにはどうしたらいいか、作品の表現、手段を研究する。

2019,1

ahikahita,サーフェス,365企画
○この企画は、2017年10月28日に始まり、約1年間、毎日1枚がインスタグラム上で公開された。
題材は日々の生活圏内から見つけている。
スマートフォン撮影、インスタグラム加工。

100s
○365企画より、100枚にセレクトされた画像群。
Cute , Blacks , A plants, On the ground , In the skyとして分類。
○hidden line (隠された線)
ドローイングを研究する一環として取りくむ。
筆軸の後端などを用いて筆圧をかけ、光の具合で見えたり見えなかったりする線が描かれている。

Around the ground

【around the ground 種の器】14/14

種を使ったインスタレーション。
14つの種とドローイングの作品。 川原田邸 応接間にて。
(種子,木の実,皿,プラスチック板,レーヨン紙,インク,LEDライト)


キャプション

【 around the ground  種の器 】

この種は、私が集めたのではなく、10 年前に集めていた人から分けてもらったものだ。
その多くは今までの生活の間に失われてしまったが、たまたま瓶の中に残っていたのがここにある。
これは、本当のところ種ではない。正確には、種の器である。
本来の種である中身はあまりにも小さく、ほとんどがこぼれて失ってしまった。
なにが大切かを知っていたら、もう少しは残っただろうか。
今は亡き芽吹かなかった種たちを思うとき、無数のありえたはずの可能性と、そうではなかった実際と、そして今ここに存在するということの奇跡を感じる。
眠り続ける種たちは、一体どんな夢を見ただろう。

大切なことは、なかなか目に見えない。
その中身へ想いを馳せるための装置として、「around the ground 種の器」が働くことを願う。

2019年3月17日 篠田ゆき


20019,3 
AMC 国際交流アートプログラム
「Under the Perfect Canopy アマゾン熱帯雨林からのアート」展
2019年3月17日~31日

「Return to the Roots 自然と人間」 展 
2019年3月17日~31日

会場:川原田邸(名古屋市登録地域建造物資産)
主催:AMC アート&マインドセンター